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ARTICLE — Behavior Change

行動変容を、AIが生み出す ── 「実行基盤」という考え方

AIエージェントは企画書やレポートは作れても、自分だけでは現実を動かせない。AIが現実の健康行動を生み出すために足りないもの――それが「実行基盤」です。私たちがこの言葉に込めている考え方を説明します。

AI生成イメージ

企画書は作れる。現実は動かせない

生成AIの普及で、健康施策の企画書やレポートづくりは特別な仕事ではなくなりました。それでも、社員が実際に歩き出すかどうかは別の問題です。AIエージェントは、考えることはできても、現実の処理――歩数の計測、達成の判定、報酬の配分――を自分では実行できません。

いまAIは、MCP(Model Context Protocol、AIが外部システムを呼び出す標準的な接続方式)を通じて、各領域の「実行基盤」を動かし始めています。開発、決済、コミュニケーション、会計。それぞれの領域に、AIの指示を現実の処理へ変える基盤が生まれつつあります。

健康における行動変容でその役割を担うのが、私たちの実行基盤「運動サプリ®」です。

一巡が回ると、行動変容は「生み出せる」ものになる

AIエージェントがこの基盤を呼び出すと、施策は一連のループとして回りはじめます。

  1. 指示 ── 担当者が目的・対象・予算を自然言語で伝える
  2. 設計 ── AIが施策案・告知・配分ルールを作成する
  3. 承認 ── 資金移動・歩数目標は人が確認・承認する
  4. 実施 ── 参加者が歩き、歩数を送信する
  5. 判定・配分 ── 達成を判定し、事前ルールに沿って報酬を配分する
  6. 報告・改善 ── 結果を次回の設計に反映する
指示→設計→承認→実施→判定・配分→報告・改善の6段階を示す運用ループ。担当者が指示し、AIが設計し、人が承認し、参加者が実施し、実行基盤が判定・配分し、AIと担当者が報告・改善する役割分担を示す概念図。
当社が説明する運用概念図であり、製品固有の効果を示すものではない。引用したRCTが示すのは、金銭インセンティブの配分設計によって身体活動への効果が変わり得る点に限られる。出典:[2]を参照し当社編集・加工。

前回の結果が次の設計に生きるので、施策は単発で終わりません。同じ報酬額でも配分ルールの設計によって行動変容の効果が変わることは、無作為化比較試験でも報告されています。「配って終わり」ではなく、設計と改善を回し続けられること――それが、行動変容を「生み出す」と言える理由です。

それでも、最後の意思決定は人

AIに運用を任せるほど、2つのものが重要になります。

ひとつは人の承認です。資金移動や運動負荷に関わる要所は、AIが単独で確定しない。「指示はAI、最後の意思決定は人」を明確に分けた AI-operated, human-approved の設計で、本番運用を見据えた形にしています。

もうひとつは根拠の見極めです。施策の設計に組み込む根拠が弱ければ、AIはその弱さごと高速に増幅してしまう。査読論文・公的データから確かなものだけを見極めて実装する規律が、AI活用の土台になります(/evidence)。

最初のターゲットは、健康経営

この実行基盤の最初の適用先として、2026年6月に「健康経営AIエージェントパッケージ」を公表し、共同PoCパートナーを募集しています。企業の健康経営から始めて、健保組合・自治体、保険会社、そして個人(B2C)へ。行動変容を届ける先は、これから広がっていきます。

全体像は /ai、健康経営での具体は /healthcare/ai-agent をご覧ください。

参考文献

  1. Model Context Protocol(MCP)公式ドキュメント
  2. Patel et al., Annals of Internal Medicine (2016) ── 金銭インセンティブの「配分設計」で身体活動の効果が変わることを示した RCT

よくある質問

AIが社員を動かすのですか?
いいえ。AIが担うのは施策の設計・実施・改善プロセスであって、参加者本人の操作ではありません。参加は任意で、資金移動や運動負荷に関わる要所は人が承認します。
普通のウォーキングアプリと何が違うのですか?
多くのアプリは本人が開いて使う「歩数を測る道具」です。実行基盤は、AIエージェントが外から呼び出して「施策そのものを回す」層にあります。比べるべきは、道具と基盤という層の違いです。

AIが生み出す行動変容を、貴社の現場に。

健康経営の共同PoCから、健保・自治体・保険会社との協業まで。